相続というと、「財産を受け継ぐ」というイメージが先行しますが、遺産はプラスとなる遺産だけではなく、住宅の質や立地によっては売りたくても買い手が付かない、貸したくても貸し手が付かないマイナスの遺産、いわゆる「負動産」となるものも受け継がなくてはならないケースが多くあります。実家などの住宅を相続した人が、居住しない住宅は、賃貸や売却もできず、結果放置され、「空き家」となってしまいます。
世界保健機関(WHO)によると日本人の平均寿命は84歳です。団塊の世代が寿命を迎える2035年ごろには、日本の死亡者数は一気に増えることとなり、空き家も爆発的に増加することが予想されます。空き家が増えることで、防犯面で不安を抱えるほか、コンパクトシティ構想(※)がうまく進められない恐れがあります。
空き家が増えるということは、行政レベルだけではなく、個人レベルでも、困ったことが起こりますがあ。老朽化した建物の修理、庭木の手入れなどの維持管理費がかかり、放っておくと、1年以上放置された空き家を罰金等処罰の対象とする「空き家対策特別措置」という法令にひっかかってしまいます。
つまり、空き家を所有するということは、金銭的にも精神的にも負担が大きい。所有しないようにするためには、相続発生前から対策を練ることが必要です。
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