友人に「おのあけみさん」という人がいます。彼女は認知症予防ファシリテーター®という資格をもち、かつ、シニア世代メインターゲットに「片づけ」をアドバイスしている方です。彼女は「片づけをする習慣が身につけば、気持ちもすっきりするうえ、頭の回転がよくなり、認知症の予防にもなります」と教えてくれました。片付けで認知症を予防できるなら一石二鳥ですよね。彼女の話を聞き、私なりに考えたことを綴ります。
1.脳の劣化にストップをかけるためには
「BDNF(脳由来神経栄養因子)」は、神経細胞の発生や成長や維持、再生を促してくれるタンパク質の一種で、脳内で記憶をつかさどる「海馬」という部位に多く含まれていています。公益財団法人・健康・体力づくり事業財団によると、運動をすると、「BDNF(脳由来神経栄養因子)」が多く分泌され、認知予防に効果があるそうです。脳を使いながら運動をすると、さらに多くの刺激が脳に与えられ、血液が増えるため、多くの「BDNF(脳由来神経栄養因子)」が分泌されるのだとか。
「脳を使いながら運動する」行動で、私たちが気軽にできるものは「片づけ」ではないでしょうか。片付けならば、「一人暮らしであまり料理をしない」というシニアでも実践しやすいですね。部屋をスッキリさせるうえ、脳の機能を維持することができるなんて、素敵ですね。
2.片づけを認知症予防に活用するには
「考えながら手を動かす」。これを継続的に行うのが認知症予防も視野に入れた片づけです。初めは少しずつ。食卓やソファの上に置いてあるものを毎日片づけることから始めましょう。スケジュール化すると一層効果的とのこと。こんな風にスケジュールを立てたらどうでしょうか。考えてみました。
例1:一週間ごとにスケジュールを立てる
月曜日:目につくものを整理する日。コタツの周り、テレビボードの周りなど。
火曜日:キッチン回りの片づけをする。棚や引き出しなどの不要なものをチェック。慣れてきたらコンロは、使うたびに汚れを拭き取るように。
水曜日:水回り。風呂とトイレ、洗面所。脱衣場にある収納の整理も忘れずにする。
木曜日:タンスやチェスト、書棚、椅子などの家具類を濡れ雑巾、乾拭き雑巾で拭く。余力があったら、中に収納されている、本や服も整理。
金曜日:「お金」の整理をする。たまったレシート類の整理をする、銀行で通帳記入するなどを行います。
土曜日:玄関回りと庭の片づけを。靴の整理や庭の落ち葉を片づける日に。
日曜日:来客が多い曜日には、来客が帰ったらリビングの片づけを。身内が遊びに来たら一緒に片づけてもらってもよいですね。
例2:朝・昼・晩と片づける内容を決める。
朝:キッチンとトイレ
昼:リビング
夜:バスルーム
毎日の習慣にしてしまえば、脳は毎日刺激を受け、「運動」と「記憶」の機能は自然と鍛えられていくでしょう」とおのさん。「どこから片づけよう」「どこにしまおう」と考え実行することで、体を動かし、皮膚刺激を受け、脳への血流が増加するのです。
3.まとめ
片付けは、とても良いことだし、やらなくてはと思っても、なかなかできない、という人は、ほんの少しの片づけからはじめましょう。一気にたくさんの片づけをしようとすると、気が重くなり、実行できなくなる確率が高くなりますので、少しずつ。毎日アクションを続けるのがポイントです。家が散らかったままだと、出しっぱなしにした物につまずく、滑るなどの危険性があり、シニアや小さな子どもの場合は、大けがになるリスクも高くなります。考え、体を動かすことで「片づけ脳」になり、脳が活性かされれば、きっと認知症予防に役立つのではないでしょうか。
参考サイト
公益財団法人
健康・体力づくり事業財団
http://www.health-net.or.jp/syuppan/leaflet/pdf/ninchiyobou.pdf
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