お部屋探しをしているときに、「このアパート、ちょっと安すぎない?」と思う部屋を不動産会社から紹介されたことはありませんか?その部屋は事故物件の可能性があります。事故物件は、専門用語になりますが「心理的瑕疵物件(しんりてきかしぶっけん)に該当します。今回は、事故物件を誤って選ばないための注意点をお知らせします。
告知義務のある物件=事故物件?
心理的瑕疵物件と世間で呼ばれているのは、「告知義務」がある物件のことを指します。「告知義務」は、●●法●条●項という風に枠組みにはめられているのではなく、宅建業法47条1項1号や35条などに定められている条項などの法令や判例から解釈して、「告知義務」であると考えられる物件を決めています。
一般的には「告知義務がある物件=事故物件=心理的瑕疵物件=事故自殺物件」と考えられますが、厳密にいうとそうではありません。告知義務がある物件には、建物の構造上の欠陥、土地の欠陥、絶えない近隣住人とのトラブルなども含まれルと解釈される場合があります。
これ以降は、殺人や自殺、火災などの事故での焼死があったアパートのことを「事故物件」と呼びたいと思います。
事故物件の告知には不動産業界特有のルールがある
事故物件の告知義務は「次に住む入居者のみ告知する」という不動産ルールがあります。つまり、「次の次」の入居者は、この部屋に入居する際、自殺があったことを知らないで入居してしまう可能性があるのです。
あるアパートの1室で自殺があったとします。きれいにリフォームを行い、募集したところ、Aさんという入居を考えている人が現れました。不動産会社はAさんに、この部屋で自殺があったことを告知。Aさんは納得して入居をしました。
Aさんが退去して、再度リフォームを行い、再度募集したところ、Bさんという入居を考えている人が現れました。不動産会社は、今度は告知を行いません。つまり、Bさんは、自殺が合ったことを知らないで入居してしまう可能性があるのです。
このルールを使った悪質な不動産業者がいます。自社の社員を事件直後の事故物件に住まわせから、募集すれば、告知をせずに済むと考えたのです。このような悪質な募集方法の手口に乗らないようにするにはどうしたらよいのでしょうか。
事故や事件が起こったことがあるか、調べる方法は?
悪質な不動産業者にだまされないようにするために、情報収集を自分で行うことは非常に大切です。次のようなことを行って自己防衛をすべきです。
周囲の人にヒアリングしてみる
近隣の人間関係が希薄になった昨今でも、聞けば教えてくれる人は意外にいるものです。同じアパートの人は近所の人に、事故や事件があったかどうか聞いてみるのが一番よいでしょう。
どうしても聞けない場合は、事故物件掲載サイト「大島てる(http://www.oshimaland.co.jp/)」は、事故物件の場所を地図上で示したサイトです。このサイトを使って調べてみるのもよいでしょう。
家賃の安い物件には要注意
周辺の同条件のアパートに比べ、あまりにも家賃が安い場合は、事故物件であることを疑ってよいでしょう。周辺物件の家賃相場は、ウェブのポータルサイトを使って調べればわかります。3割以上安い場合は、事故物件の可能性が高いのです。
不自然なリフォームがあるかどうかチェックする
部屋の中で病死などの死者が出たときは、基本的に告知義務はありません。しかし、孤独死などで、遺体の発見が遅れてしまうと、体液が流れ出し、異臭を放つうえ、畳や床の奥まで染み込みます。一般的な清掃だけでは対応できない場合が多く、床やクロスの一部を張り替えるなどのリフォームを施すことが多いようです。不自然なリフォームがある場合は要注意です。
定期賃借契約になっている
建物の立て替えがないのに、契約が「定期借家契約」になっているときもあります。この契約は、一定期間で賃借契約が終わることが条件で、更新ができません。つまり、1人目の入居者だけ、安い家賃を設定して、2人目以降の告知義務を帳消しにしようという、不動産会社の意図がある場合があるのです。
これらは、あくまでも手掛かりの1つに過ぎません、入念な調査をしてから申し込みをすべきです。
まとめ
最近は、安価なことを理由に、事故物件であることを納得して契約をする人も少なくありません。しかし、「自殺者への借金の請求書が届いたりする」「自殺者を訪ねて人が来る」などの精神的ダメージがあることも予想されます。リスクを考えたうえで、申し込みをすべきです。家賃には適正価格があります。快適な生活の代償として家賃が設定されていることを忘れずにお部屋選びをしてください。
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