不動産業界の未来を占う【不動産エージェント】

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近頃、不動産業界が近い未来どうなるかに大変興味があります。不動産テックによる不動産業の現場は目まぐるしい変化があると肌で感じるからです。興味の対象の1つが「不動産エージェント制」。

エージェント制は、アメリカでは広く普及しています。米国最大の取引高を誇る不動産エージェントネットワーク「リマックス」日本に初上陸したのは2015年。ほんの数年前のことです。

今回はこの「不動産エージェント」についてのお話です。

営業マンの能力に対してオーダーができるのがエージェント

営業マン

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みなさんは、同じ不動産会社に頼んだのに、担当者が違ったら、対応が悪くなったと思ったことはありませんか?

私は以前、賃貸の不動産会社に在籍したときに、お世話になって入るお客様から同じような意見をもらったことが、何度もあります。「部屋選びの良し悪し」は担当する営業の人の良し悪しで決まるとも言われましたし、自分でもそう思います。

不動産会社の場合、たくさんの社員がいるために、担当制になっています。「物件担当」や「部署担当」…。配置換えが起こるたびに、お世話になって入るお客様と離れることになります(さみしい限りです)。お客様には、一から要望や好みを新たに新担当者に伝えなくてはならない、という煩わしさを感じさせてしまいます。

もし、仮に、不動産会社が指名制を取っていたらどうなるでしょうか。以前の担当者Aの接客に満足したお客様は、Aを指名できれば、長くお付き合いができ、満足した家選びができるでしょう。この指名のできる不動産会社が「不動産エージェント」なのです。

不動産エージェントは、売主・買主それぞれの利益を第一義としますので、基本的には、同じ不動産エージェントが売主買主両方の担当者になることがないのが特徴です。

不動産エージェントのメリットは?

青い空

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エージェントに依頼するとかかるお金は、不動産会社に仲介をお願いするのと同じ。仲介手数料をエージェント会社に支払います。エージェントには、売主の為の代理人は「セーラーズエージェント」、買主の為の代理人は「バイヤーズエージェント」の2種類があります。両方を兼ねるエージェントはありません。 今回は皆さんが利用する可能性が高い「バイヤーズエージェント(以降、エージェントと呼びます)」について、その特徴を考えてみましょう。

買主第一主義になれる

不動産仲介会社の場合、売り手・買い手、どちらとも付き合うことができます。そのために、自分が関わっているお客さん同士をマッチングさせ、早期に制約しようとすることがあります。つまり、買主の希望する条件と異なっていても、仲介業者が儲かる物件を無理矢理買わせることがある、ということです。「無理矢理」の度合いは異なったとしても、不動産業者ならば少なからず、そういう意図が働くと思います。これは買い手にとっては迷惑な話ですね。

いっぽうエージェントの場合、前段でもお話したように、同じ不動産エージェントスタッフが売主・買主両方の担当者になることはありませんので、「売らなくてはならない物件」という物がありません。物件のネガティブ情報も隠すことなく開示してくれるでしょう。エージェントスタッフは、純粋にお客さんの要望に合った物件を紹介してくれる可能性が高いのです。

一貫したサービスを提供できる

不動産を購入する際は、建築会社の選び方、利用できる減税措置、住宅ローンの申し込み方法、ハザードリスク、リセールバリューがあるかどうかなど、マンションを購入するときは、色々な知識が必要となってきます。

不動産会社は、5人に1人以上の宅建士がいれば営業が可能という法律があり、資格や知識を持っていない担当者も在籍が可能ですが、エージェントの場合は、個人で全領域の知識をカバーしなければ、契約をとりにくくなるので、知識のブラッシュアップをしっかりと行い、紹介しようとする物件をしっかりと検証するでしょう。

売買契約完了まで、1人のスタッフにお世話してもらうのを希望するならば、エージェントに依頼するのがよいでしょう。

エージェントへの依頼方法

パソコン

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ポータルサイトから探すのが現在のメインの方法です。各社が運営するポータルサイトにエージェントが情報を登録し、物件探しをする人が閲覧、もしくはエージェント、物件探しをしている人の両者がサイトに情報登録し、マッチングさせます。

マッチングの場合は、条件がマッチングした複数のエージェントが物件提案をします。物件探しをする人は、希望条件を入れて待つだけで、多様な実績やスキルを持つエージェントから未公開物件を含む物件提案メッセージが届きます。お客さんはエージェントを選ぶ際には、得意な分野、過去に手掛けた売買の実績、口コミなどが閲覧できます。

現在は、スタートアップなどの複数の企業が自社システムとしてアプリを開発しているレベルですが、不動産テックの目まぐるしい発展を考えると、今後は大規模なポータルサイトが増えていくと思います。

ほかにも大手不動産会社に認定されたエージェント制を利用する方法がありますが、私が知っているのは、1社のみ。昨年から、エージェント制を採用しています。認定されたエージェントスタッフは、不動産会社の本部に採用されるのではなく、フランチャイズで加盟している店舗または、エージェント制度を導入している店舗に所属するので、そちらで依頼しなくてはなりません。

2つの違いは、ポータルサイトの場合、優秀な人材かどうかの基準は統一されていないので、自分で判断しなくてはなりませんが、こちらの方法の場合は、大手不動産会社が一定基準を設けているため、基準をクリアした人でないとエージェントになれない、ということです。

不動産選びで一番大事なのは、その担当者が消費者である売主・買主のことを第一義にしているかどうかだと思います。それを念頭において考えると、エージェントという制度は大変画期的であり、今後、もっと広がってゆくのではないかと思います。

不動産投資不動産購入住まい選び
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代表 吉井希宥美
群馬県高崎市で不動産会社をやっています。
一般的な不動産会社ではなく、コンサル重視の会社です。
1人の顧客に寄り添い、相続やライフプランを見据えた提案を行っています。そのため、通常の賃貸売買のほか、投資案件、用地入れも致します。
DX化の時代に、顧客との「コミュニケーション」、つまりアナログを重視し、皆様の要望にお応えできるよう、日々研鑽しています。

宅地建物取引士、AFP、家族信託コーディネーター®、相続実務士を所持する不動産コラムニスト。不動産取引や相続相談を行いながら、執筆を手掛ける。

日本女子大学卒。フリーライターとして13年活動したのち、住宅関係の仕事に関わりたいと不動産会社に就職。売買、賃貸仲介、賃貸管理など、幅広い業務を経験。現在は、不動産の実務に関わりつつ、不動産コラムを執筆、相談業務やセミナーも行っている。幅広い不動産知識とライター時代に培った「ヒアリング力」で要望を聞き、お客様のためになる「住まい方」を提案する。近年は相続の絡んだ案件の相談業務も行っている。
理想の住まい、理想の生き方を探す方の手伝いをしている。
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日刊住まい
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リノベーションサイト「SUVACO」
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住まいる博士
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