不動産会社、何件回りますか?

不動産管理

賃貸物件を探すときに、足を棒にして何社も回っている人はいませんか?不動産会社の仕組みを知れば、時間と手間をかけずに希望の物件を見つけることができます。入居してからも快適に暮らすためには、不動産会社の仕組みを知ることから始めましょう。

不動産会社の種類を知ろう

不動産会社とは、どんなことをする会社かご存知ですか?不動産を扱う会社はおもに2つの業務を行っています。それは「不動産仲介」と「不動産管理」です。不動産会社は、仲介だけ行う、管理だけ行う、両方行う、の3パターンあります。

不動産仲介は物件を借りるときにお世話になる

物件を探している人が希望の物件を見つけるための支援をする業務です。希望家賃、エリア、間取りなどをヒアリングし、募集が出ている物件の中から条件に合ったものを紹介します。不動産会社はたくさんあるので、お客さんが来てくれるように色々な方法でPRをします。

一番効果があるのはインターネットのポータルサイトの掲載です。現在、物件を探している人は、インターネトで物件をチェックし、自分が気に入った物件を掲載している不動産会社に問い合わせをすることがほとんどです。 不動産会社はポータルサイトの掲載枠を買って、自分の会社の物件が目に留まるようにします。

ポータルサイトの検索結果一覧の上位に表示されるには、画像や動画の掲載点数や紹介文の文字数など、ポータル会社の規定に沿ってきっちり守ることが必要となります。

不動産管理は入居してからお世話になる

アパートやマンションを維持し、入居者が快適に過ごせるようにする業務です。トイレから水漏れ起こった、廊下などの共用部分の蛍光が切れてしまったなど、入居中におこる住まいのトラブルに対応します。また、騒音をはじめとするご近所同士のトラブルやクレームの対応も行います。

アパート管理を行うためには大家さんと「管理委託契約」を結びます。大家さんは、入居が決まった部屋に対し、毎月5%程度の管理料を支払います。管理会社は大家さんの代わりに、建物のメンテナンスを行うほか、早く入居が決まり、かつ、長く住んでもらえるように、費用対効果の高いリフォームやリノベーションを提案・工事します。入居者が支払う家賃を管理し、世の中の動向をリサーチして、的確なリフォーム提案できるかどうかは管理会社の腕の見せ所。場合によっては、家賃を管理する、滞納者に対し督促するなども行います。

どの不動産会社の物件も1つの不動産会社から申し込みができる

ポータルサイトを検索したとき、取り扱う不動産会社が異なるだけで、同じ物件がいくつも表示されたことはありませんか?これは、1つの物件を色々な不動産会社から申し込みができることを意味します。

仲介手数料の仕組みを知ろう

大半の大家さんが管理を任せるとき、管理委託契約は1社としか結べません。いっぽう物件の募集はいろいろな会社が募集することが可能です。管理している不動産会社以外の業者が募集し、客付けが成功すると仲介手数料がもらえます。

仲介手数料は、法律上は貸主からももらえることになっていますが、ほとんどの場合、家賃+消費税を上限とした仲介手数料を入居者からもらいます。管理会社以外の仲介会社は入居者を紹介・案内し、成約した場合、その仲介手数料をもらうことができるのです。

仲介会社は仲介手数料目当てに、たくさんの物件をポータルサイトに掲載します。そのために同じ物件がポータルサイトにいくつも掲載されるのです。管理会社は、仲介手数料は、自社で申し込みを受けた場合に比べて少なくなりますが、空室でなくなれば、管理料が毎月入ってきます。管理料が5%なら20カ月で元がとれますので、結果的に得をします。そのために、管理会社は他社がネット掲載することを許可するケースが多いのです。

どの物件もすべての不動産から申し込みができる

インターネットサイトへの物件掲載は、管理会社のお許しがないとできませんが、紹介と申し込みに関しては、ほとんどの物件がすべての不動産から申し込みができる仕組みになっています。そのために、わざわざ掲載元の不動産会社に1件1件足を運んで物件見学をしなくてもよいのです。

仲介会社に行ったときに、お目当ての物件のほかに「ポータルサイトでみたのですが」といって、掲載元が他社になっている気になる物件についても問い合わせをしてみてください。ほとんどの場合、チラシを取り寄せてくれ、見積作成や案内もしてくれるでしょう。まとめて問い合わせれば、1日で何件も物件の見学が可能です。

掲載元と異なる会社で申し込みをしても、敷金や礼金、家賃が変わることは基本的にはありません。「分け前」がどうなるかの問題なので、申し込み者が支払う仲介手数料の総額には影響ありません。 不動産会社の中には手数料値引きをうたっている不動産会社もありますが、これには別のカラクリがあります。

不動産会社がキャンペーンを行っていて、自分の取り分である仲介手数料をディスカウントしてくれることはありますので、問い合わせてみるのは無駄ではありません。フリーレントについては、大家さんがOKするかどうかの問題なので、不動産会社が変わると極端に差が出るということはないようですが、管理を行っている会社のほうが大家さんとコネクションが強いために、OKが出る確率がやや高いようです。

まとめ

これらの仕組みを知っておけば、「不動産会社巡り」をしなくて済みますし、値段交渉等する際にも役立ちます。入居後は仲介会社とは縁が切れ、管理会社とお付き合いすることになるので、管理もやっている仲介会社を通して借りたほうが何かと便利と考える人もいますが、物件の見学や申し込みに限って言えば、1、2社訪問するだけで十分なのではないでしょうか。

不動産管理賃貸住宅
オフィスヨシイ

代表 吉井希宥美
群馬県高崎市で不動産会社をやっています。
一般的な不動産会社ではなく、コンサル重視の会社です。
1人の顧客に寄り添い、相続やライフプランを見据えた提案を行っています。そのため、通常の賃貸売買のほか、投資案件、用地入れも致します。
DX化の時代に、顧客との「コミュニケーション」、つまりアナログを重視し、皆様の要望にお応えできるよう、日々研鑽しています。

宅地建物取引士、AFP、家族信託コーディネーター®、相続実務士を所持する不動産コラムニスト。不動産取引や相続相談を行いながら、執筆を手掛ける。

日本女子大学卒。フリーライターとして13年活動したのち、住宅関係の仕事に関わりたいと不動産会社に就職。売買、賃貸仲介、賃貸管理など、幅広い業務を経験。現在は、不動産の実務に関わりつつ、不動産コラムを執筆、相談業務やセミナーも行っている。幅広い不動産知識とライター時代に培った「ヒアリング力」で要望を聞き、お客様のためになる「住まい方」を提案する。近年は相続の絡んだ案件の相談業務も行っている。
理想の住まい、理想の生き方を探す方の手伝いをしている。
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日刊住まい
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住まいる博士
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