火災保険が水のトラブルをサポート

不動産管理

集合住宅で起こりやすい水漏れ関係のトラブル。そんなときに、火災保険が役に立つことをご存知でしたか?火災保険は家事だけでなく、水関係のトラブルにも手厚い補償をしてくれるものです。

火災保険の申請理由の上位は水に関するトラブル

『平成24年度個人用火災保険金支払実績』(損害保険ジャパン日本興亜株式会社)によれば、火災保険支払理由は、延焼は意外に少なく、水による事故によるものが上位となっているのが現状です。

1位:水災・風災・雪災(21,025件)
2位:漏水などによる水濡れ(4,057件)
3位:不測かつ突発的な自己(2,864件)
4位:落雷(2,810件)
5位:建物外部からの物体の落下・飛来・衝突(1,719件)
となっています。

近年ゲリラ豪雨や大型の台風による被害が多く、水に関する事故は、増えているのです。

火災保険が使えるのはどんなとき?

火災保険の補償範囲は、主に家財・修理・賠償契約の3つです。保険は延焼だけではなく、水漏れでも使えます。

火災保険の内容を確認

まずは、自分の加入している火災保険の内容を確認しましょう。入居している人がかける火災保険は「家財」保険です。日常生活に使用している動産が被害を受けたとき、補償をしてくれます。動産とは、テレビや布団、パソコンなどのこと。自動車、貯金通帳、切手などの有価証券、高価な美術品や宝石、ペット、パソコンデータなどは補償対象外です。

自分が加入している保険の補償対象の事項に「水濡れ」とあったら、水のトラブルで被害を受けた時も支払が受けられます。動産とは、テレビや布団、パソコンなどのこと。自動車、貯金通帳、切手などの有価証券、高価な美術品や宝石、ペット、パソコンデータなどは補償対象外です。

支払われる金額は、購入価格ではないので注意が必要です。調査員が査定した残存価値に対して金額を確定させ、その金額が、加入者に支払われます。 賃貸借契約に基づき、緊急的に迫られて、自費で修理した場合は、「修理」に対して補償金が支払われます。凍結による水道管の破裂、鍵の盗難などは、緊急性がありますので、ここで言う「修理」にあたります。

賠償契約は、大きく分けて2種類あります。「借家人賠償責任補償」は、貸主や隣の部屋の人に対し、法律上の賠償責任が生じた場合の補償です。失火で壁を焦がした、不注意で窓ガラスを割った、などが起こったときに、賠償金相当の金額が補てんされます。

「個人賠償責任補償」は、本人や生計を共にする親族が、他人を相手に損害賠償責任が生じたときの補償です。例えば、他人にケガをさせる、他人の財物に損害を与えるなどの理由が該当します。どちらも上限金額が設定されます。 

よく起こるのはこんなケース

身近に起こった事例でこんなものがありました。室内にある洗濯機のホースが外れ、入居者が数日間、留守にしてしまったため、防水パンからも水が溢れてしまいました。水が建物の躯体部分をじわじわと伝わったため、被害はすぐ下の脱衣場のところだけでなく、リビングのほうまで広範囲となってしまったのです。

下の階の水漏れは、キッチンの天井からポタポタと水が垂れたのが始まりでした。入居者は、応急処置として、水濡れをすると壊れてしまいそうな家電類をすぐに移動させ、バケツなどを用意しましたが、水漏れは収まりません。賃貸住宅だったので、すぐに管理会社に電話をしましたが、リビングからも水は垂れてくるようになりました。

下階の入居者は、上の階で異常が起こっていると察して上階を訪問しましたが、留守だったので管理会社に電話をしたそうです。管理会社はすぐに、上階の水栓を止めましたが、躯体に水が行き渡っていたので、水が垂れは止まらず、最終的に、見えない押し入れの中やキッチン収納の中にも被害が及び、布団やキッチン用具などもびっしょり濡れてしまいました。

この事例では、賃貸物件だったため、上階の人も下階の人も、家財を対象とした火災保険への加入義務があり、水濡れ事故の補償対象となる火災保険に入っていました。水漏れが保険適用の対象になっていたので、上階の人の借家人賠償責任保険(特約)、下階の人の家財保険からお金が支払われました。 火災保険の被害を確定するため、調査員が訪問し、査定を行いました。今回の査定対象には、、ラップやホイルなどの細かいものもあり、少額ですが、これらに対する補償も支払われたそうです 。

まとめ

このように、火災保険はトラブルが起こった時に、頼れる制度です。持ち家の場合、家財保険は強制加入ではありませんが、実際起こったケースのように、自分が気を付けていても、どうにもならない場合にも対応してもらえるので加入をお勧めします。少額でもよいので、加入をして、安心した生活を送れるようにしましょう。

不動産管理賃貸住宅
オフィスヨシイ

代表 吉井希宥美
群馬県高崎市で不動産会社をやっています。
一般的な不動産会社ではなく、コンサル重視の会社です。
1人の顧客に寄り添い、相続やライフプランを見据えた提案を行っています。そのため、通常の賃貸売買のほか、投資案件、用地入れも致します。
DX化の時代に、顧客との「コミュニケーション」、つまりアナログを重視し、皆様の要望にお応えできるよう、日々研鑽しています。

宅地建物取引士、AFP、家族信託コーディネーター®、相続実務士を所持する不動産コラムニスト。不動産取引や相続相談を行いながら、執筆を手掛ける。

日本女子大学卒。フリーライターとして13年活動したのち、住宅関係の仕事に関わりたいと不動産会社に就職。売買、賃貸仲介、賃貸管理など、幅広い業務を経験。現在は、不動産の実務に関わりつつ、不動産コラムを執筆、相談業務やセミナーも行っている。幅広い不動産知識とライター時代に培った「ヒアリング力」で要望を聞き、お客様のためになる「住まい方」を提案する。近年は相続の絡んだ案件の相談業務も行っている。
理想の住まい、理想の生き方を探す方の手伝いをしている。
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