親名義の土地にアパート・マンションが建っていたら、節税ができる可能性があります。どんな制度があるか、確認してみましょう。
まずは「評価額」についておさらいを
不動産の場合、相続税を算出するため基準になる価格は「評価額」です。土地の場合、相続税評価額は路線価を基に算出します。「路線価×土地の面積」相続税の課税額を割り出します。
相続税評価額は、販売価格(実勢価格とも言います)の70%~80%程度。また、建物の評価額は建築費の50%ほどと言われています。これらは、アパート経営をしていなくても、不動産を所有していれば、適用になります。
不動産での保有は現金で財産を保有するよりも評価額が低くなり、相続税が安くなります。
小規模宅地の特例
小規模宅地の特例は、一定の要件を満たす宅地について、一定の面積の範囲内で評価額を低くするというもの。自宅として住んでいた土地なら評価額が最大80%安くなります。賃貸用のアパートやマンションの土地の場合、アパート・マンションの敷地のうち200㎡までが、最大50%減額になります。
貸家建付地の評価額が下がる
所有している不動産が賃貸用のアパートやマンションの場合、評価額を下げることができる場合があります。
貸家建付地の評価額の計算式は
貸家建付地の評価額=自用地の評価額×借地権割合×借家権割合=自用地の評価額(1-借地権割合×借家権割合)
です。この計算式に当てはめると20%前後、評価額が安くなります。
空室はカウントの対象外
貸家建付地の場合、原則、空室分は貸家の評価も、貸家建付地としての評価も受けられません。アパートを10室貸していて、そのうちの4室が相続発生時点で空室であれば、4室分については貸家建付地の評価対象外になります。 小規模宅地の特例も同様で、空室になっていると50%の評価減が適用になりません。
では、どのくらいの期間空室だと制度上「空室」扱いになるのでしょうか。空室期間については年々厳しくなり、近年は1カ月以上で空室とみなされることが多いようです。
まとめ
親がアパートやマンションの経営をしている場合、相続の際にこれらの制度が使えないかどうか、かならずチェックしましょう。その際、対象となるアパートやマンションに空室があると、その分は評価減の対象にならない場合があるので注意が必要です。 税制の適用に不安がある方は専門家に相談してアドバイスを受けるようにしましょう。
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