2018年12月14日、自民、公明両党は年度税制改正大綱を決定しました。その中には2019年10月の消費税増税に備え、住宅購入に伴う減税措置を拡充することが盛り込まれています。増税後に住宅を購入した場合、住宅ローン減税の期間が現行の10年から3年間延長することが決まっています。そうなると、増税前と後、どちらに家を買う方が得なのでしょうか。
住宅ローン減税延長の効果は消費税上昇分を相殺するの?
現在の住宅ローン減税は年末の住宅ローン残高の1%が10年間所得税や住民税から控除され、その上限は40万です(認定長期優良住宅や低炭素建築物の場合を除く)。いっぽう、消費税10%で物件を取得した場合、建物価格の2%か、年末ローン残高の1%のどちらか「小さい方」を11年目から13年目まで控除されます(2020年末までに取得・居住した場合、年収が3,000万円以下の場合など諸要件あり)。
消費税増額分が相殺される例
たとえば、Aさんのお宅が
・建物価格 2,500万円
・土地価格:1,500万円
・35年ローン元利均等返済、金利1.5%
・夫の年収700万円、妻の年収100万円、子ども1人(扶養人数2人)
であったとします。
現行の住宅ローン減税での減税額は
1年目 342,337円
2年目 334,559円
3年目 326,664円
4年目 318,649円
5年目 310,513円
6年目 302,255円
7年目 293,871円
8年目 285,361円
9年目 276,723円
10年目 267,954円
ローンの計算は ローンシミュレーションサイト「@ローン計算」 https://www.loankeisan.com/home/koujo.html
で計算しました。 総額で約300万円が所得税や住民税から控除されますね。
消費税10%で取得したときの減税額は
年収によって「すまい給付金」で得をする人がいる現行制度の減税額に加え、3年間で建物価格2,500万×2%=50万円が控除になります。
土地には消費税はかかりませんので、このケースでは、消費税増額分は相殺されます。
年収によって「すまい給付金」で得をする人がいる
すまい給付金は消費税が8%のとき、年収510万円以下の人は最大30万円給付されましたが、消費税が10%になると、年収775万円以下の人に最大50万円給付されるようになります。つまり、上記で述べたAさんの世帯は、8%では給付金は受け取れず、10%だと受け取れることになります。
すまい給付金がいくら受け取ることができるかは、国土交通省のサイト「すまい給付金」に各世帯がいくら給付を受けられるかを調べるページがあるので(http://sumai-kyufu.jp/simulation/kantan/)、こちらを使って算出することをお勧めします。
まとめ
上記のAさんは消費税10%が適用になった後で購入したほうが得であることがわかりました。具体的に試算してみるとおおよその傾向が分かるので、自分の場合はどうか、計算してみましょう。ただし、ローンの適用金利や物価の上昇が今後考えられます。住宅関係の税制はいろいろな要素が絡み合っているので、とても複雑。分からなければ、専門家と一緒に考えて判断しましょう。
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