コロナウィルス騒動で、自宅にいる機会が増えたせいか、庭木の手入れをしている人を、いつもより多く見かける気がします。大きくなりすぎた庭木をそのまま放置しておくと、伸びた枝や落ち葉などが隣家の敷地内へ入ってしまい、ご近所トラブルに発展するおそれがあるので、なるべく早く剪定を行いましょう。注意してほしいのが、隣の家から自分の家側に、はみ出している「木の枝」です。これは、許可なく剪定してしまうと、罰せられてしまうことがあります。どうしてなのでしょうか。
1.枝は勝手に切ってはいけないが、根は切ってもOK
民法ではこのことについて、次のように決められています。
・隣地の枝が自分の土地を越えている場合
隣の土地の木の枝が、境界線を超えて出ているとき、木の所有者に境界線を超える部分を切り取るよう請求することができます。つまり、木の枝が越境してきて日常生活に支障があるような場合に、切り取らせるよう求めることができますが、竹木の所有者の承諾無しでは切り取ることはできないのです。
・隣地の根が自分の土地を越えている場合
隣の土地の竹木の根が、境界線を超えて出ているときは、その根を自ら切り取ることができます。
2.どうして根は切ってもいいのか
枝と根についてこのように扱いが違うのか、理由ははっきりとはしていません。「根を切ってもよい」というルールがあるのは、枝の所有権が隣人にあると扱うのに対し、根っこの所有権はこちらにあると扱われるから。法律ではこのように規定されていますが、現実問題としては勝手に根を切って、万が一隣の家の樹木が枯れたりするとトラブルになる恐れがあります。そのため、隣の人に一言伝えてから切った方が、トラブルを未然に防げるでしょう。
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