不動産を購入するときの「売買契約書」には、取引額い応じて収入印紙を貼りつけます。では、不動産会社と大家さんの間で締結する「管理委託契約」にも貼りつけなくてはいけないのでしょうか。
そもそも収入印紙とは?
収入印紙は、書類に添付する切手と同じような形をしたもので、印紙税を納めるためのものです。「印紙税法」という法律のもと、領収書や契約書、約束手形に貼りつけます。
収入印紙の貼る際は、消印(=割印)を押すことで有効になる、というルールがあります。収入印紙と書類の双方にまたがって押印する必要がありますが、上下左右、どこに押すかについては決められていません。収入印紙の貼る位置については、指定されていない場合は余白部分に貼りつけましょう。また、押印の替わりに、署名しても有効となりますので覚えておきましょう。
収入印紙が販売されている場所は、郵便局や法務局、コンビニエンスストアのほか、郵便マークの看板がある個人商店でも購入できます。
書類の内容によって貼りつける収入印紙の金額が決まる
管理委託契約書にいくらの収入印紙を貼りつけたらよいかは、書類の記載方法により異なってきます。印紙税の観点からすると、書類は1号、2号、という風に分類をされ、該当する「号」ごとに課税金額が異なります。たとえば、しかし、「管理委託契約書だから○○号」という風に、一元化できません。書類に書いてある内容によって、何号に該当するのか決まります。そのために、理解がしにくいのです。
賃貸物件の不動産管理を不動産管理会社に依頼すると、不動産管理会社と管理委託契約を結ぶこととなります。一般的な不動産管理契約を想定すると、入居者の賃料回収や相談対応などを主とした契約と、建物のハード面や維持管理までを前提とする場合があります。印紙税での判定で問題となるのは、契約の内容が、単なる委任契約であるのか、請負契約の要素が含まれているのか、ということです。
ほとんどの不動産の管理委託契約書は、第7号文書もしくは、第2号文書のどちらかに該当します。の第7号文書とは、「継続的取引の基本となる契約書」です。特定の相手方との間において継続的に生じる取引の基本となる契約書のうち次の文書をいい、税額は1通につき4,000円です。
第2号文書は、「請負に関する契約書」となります。税額は
記載された契約金額が
1万円未満(※)→非課税
100万円以下→200円
100万円を超え200万円以下→400円
200万円を超え300万円以下→1千円
300万円を超え500万円以下→2千円
500万円を超え1千万円以下→1万円
1千万円を超え5千万円以下→2万円
5千万円を超え1億円以下→6万円
1億円を超え5億円以下→10万円
5億円を超え10億円以下→20万円
10億円を超え50億円以下→40万円
50億円を超えるもの→60万円
契約金額の記載のないもの→200円
国税庁は、第何号文書に該当するかの判定・所属の決定は、個々の契約の内容によると答えています。
節税できるかどうかは文書の書き方次第
さて、本題の節税方法です。たとえば、毎月の管理委託料金が10万円で、契約期間が2年の場合を考えましょう。
1)契約書の文中に、月額料金と契約期間の「記載のある」契約書の場合
第2号文書に該当するので、
10万円/月×24か月=240万円
上記の税額表から印紙代は1000円になります。
2)契約期間の記載はあるが、月額料金の「記載が無い」契約書の場合
第7号文書に該当しますので、印紙税額は、一律4000円となります。
例)毎月の管理委託料は受け取った家賃等の5%とし、契約期間2年とする。
つまり、
1)「管理委託料は10万円/月、契約期間2年とする。」と書けば、第2号文書になり、1,000円の印紙税
さらに、契約期間を1年にすれば、印紙代400円となり、
2)「月額管理委託料は受け取った家賃等の5%、契約期間2年とする。」と書けば、第7号文書になり、4,000円の印紙税となるのです。このように同一契約でも、契約書の書き方一つで印紙税額が変わります。
1)の場合はで済みます。
第2号文章と第7号文章の使い分けで節税が可能になります。
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